凪の途上 乙女の涙



 ダイヤモンドの水面に 揺らめく遊覧船

 掌のスプーンで 太陽の落とし物をすくう


 いつからか楽しいことを

 素直に楽しめなくなっていた

 何処へ向かうのかとそればかり

 時々 目を伏せては

 眩しかったのと言い訳する


 愛しすぎないようにしていた



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color 薄紅
on 2007/07/31