助けたい助けたいと
呪文のようなその言葉
繰り返したからってどうってことない
何となく安心するだけ
僕が安心するだけ
崖にしがみつく指
爪からは血が滲む
もしも離したら
誰も誰も誰も
助けられない
すぐその先の足場まで
とにかく登らなければ
この手を君に
差しだすために
color
赤
on 2007/06/27
形が無いのだから
なくなることはない
出来事は花火のようでも
記憶の中で生きているから
輝いていた自分を思い出せば
それは目の前にあるようにも
未来にあるようにだって
思えるんだ
color
橙
on 2007/06/26
夕間暮れに星を待つ
薄い青に金平糖
急がなくていいんだよ
君を待つのが好きだから
謝らなくていいんだよ
君を想うのが好きだから
color
薄青
on 2007/06/18
たてがみの揺れない馬たちが
光の輪を描き続ける
その背に誰かを乗せたって
降ろすのはまた同じ場所
どうしても手に入れられないものは
手に入らないから欲しいのか
どうあってもほしいのか
分からずじまいだから困る
行く末すらないから困る
color 黄
on 2007/06/15
コンクリートの床を
穴があくほど見ていた
飽きもせず
じっと見ていた
そうしたら
僕の中の太陽が
レンズを通して集まって
そこに小さな小さな穴を
ほんとうにあけた
もしやと思い
ずっと行く手を阻んでいる壁の前に僕は立つ
そこに小さな穴を
あけ続けるつもりだ
color
赤
on 2007/06/01